【質問】 (新規就農者とその対応について)
8番、藤田公正です。通告に従いまして、新規就農者の状況とその対応についてお伺いします。
先月、昨年2009年に新たに農業を始めた新規就農者が前年より11.4%多い6万6,820人と大幅な増加であったと、農林水産省から調査結果の発表がありました。
その内訳は、農家出身者が実家を継いだケースが5万7,400人で15.6%増。新たに農業経営を始めた人は1,850人で5.6%減。増加が続いていた農業生産法人への就農者は7,570人で9.9%減であり、これは不況の影響もあり、農業生産法人が新規採用を控えたものとしております。
年齢別では、減少が続いていた60歳以上が20.8%増。39歳以下が4.2%、40歳から59歳が2.5%、それぞれ増加しており、ただ、新規就農者のうち、約半数が60歳以上であったとしております。農水省では、企業のリストラで職を失った人や、退職期を迎えた団塊の世代の農家出身者が増えているのではと分析しております。
今の補助金など、支援制度は、担い手を中心とした認定農業者等に農地の賃貸借を勧め、集約化を行ったり、営農集団を勧め、機械利用の効率化を図ることなどが重点的に行われていますが、このような施策も重要ですけれども、最近の金融不安など、雇用の不安定な時期に新規就農者が農業を営む上での環境づくりが必要と考えるが、本市における新規就農者の状況とその対応、並びに今後の取り組みについて伺います。
以上、よろしくお願いします。
【答弁横山市長】
藤田議員の御質問にお答えを申し上げます。
三豊市では、過去3年間に26名の方が新規に就農しております。そのうち、39歳以下の方が23名で、青年等の就農促進のための資金の貸付等に関する特別措置法第4条第3項の規定による就農計画の認定を受けた認定就農者が3名、認定就農者に準ずる者が3名となっております。ほかに、農業生産法人に6名の方が雇用就農しています。
新規就農者に対しましては、主に普及センターを中心に定期的に戸別訪問をし、経営目標が早期に達成されるように、技術指導や制度資金、補助事業の紹介など、経営支援を行っております。
また、新規就農者への対応と今後の取り組みですが、三豊市では、昨年8月より毎月3日間でありますけれども、三豊市担い手育成総合支援協議会が就農相談窓口を開設しております。相談者数は、昨年は5名、今年度は9月までで6名の相談を受けております。
昨年の5名の方は、すべての方が認定就農者または認定就農に準ずる者として就農を果たしており、協議会では就農計画の作成時点から支援して、経済危機対策等の新規就農者定着促進事業を活用して、国からの2分の1の補助金と、市からの5分の1の補助金をあてて、就農のための機械設備の支援をいたしております。これら5名の就農者の方の巡回指導も、秋以降に実施するような予定をし、適切な指導・助言を行っていく予定であります。
今後も就農相談窓口による支援活動は継続してまいります。農業は栽培技術が必要ですし、就農したからといって直ちに所得が発生するものではありません。設備にも多額の資金が必要となります。国・県の補助金を最大限活用するよう助言するとともに、市でも基金事業を利用したり、中古機械や施設の整備情報を提供するなどして、支援を実施する予定でございます。
新規就農者の育成や、集落組織等の立ち上げにつきましては、地元の議員の皆様方や農業委員の方々の協力なしには成り立ちませんので、引き続き、議員をはじめ、皆様方の御協力をお願いいたします。
以上、お答え申し上げます。
【再質問】
39歳以下の新規就農者が23名もいたということでございますけど、これは、実は香川県の農業大学の資料になりますけれども、平成16年から研修生を受け入れておりまして、これまでに三豊市から31名が受講しております。研修は1年コースと三、四カ月コースがありまして、約半数が1年コースと三、四カ月コースに分かれております。研修内容は、70%が露地野菜、25%が果樹、残りが施設野菜となっております。この受講生の進路状況ですが、本年の受講生はまだわかりませんけれども、これまでに約65%の方が野菜や果樹の販売農家となっており、23%の方が家庭菜園等を楽しんでおられると聞いております。
また、JA丸亀支店では、丸亀アグリ塾を年2回開催しておりまして、10年目を迎えております。これまでに約300人が受講しておりまして、受講者には既に農業を経験した方も含まれております。この中から六、七十人でアグリ倶楽部が誕生しており、仲間づくりもできておると聞いています。また、販売農家となった新規就農者は20人あったと聞いております。講師には、市や県職員、主に普及センターの指導員やJAのOBたちだそうでして、料理教室も開催しているのは、野菜の消費を進める目的もあるのではないかと思っております。市は、これらの事業に20%の補助を行っております。
農業基盤強化促進法の改正によって、解除条件つきで農地の貸し借りや権利移転が、農作業常時従事者以外の個人や農業生産法人以外の法人にもできるようになり、非農家の方にも農業を行うことができるようになったようです。このことは、新規就農者とは言えませんけれども、先の農業大学やアグリ塾に毎回何人かは農地を持たない方の受講生があるようですので、この人たちにも道が開けたと思います。
先ほどの39歳以下の23名というのは、県の新規就農者支援事業の該当だと思いますけれども、就農開始サポート事業や、定年就農者定着支援事業、それから、新規就農者リース事業などがあるようですけれども、これは、先ほどのような39歳以下という一定の要件を満たすものに支援を行う制度があるようですけども、近年、耕作放棄地が増え続ける中で、今年3月議会でも、私は企業の参入の取り組みについてお伺いしましたけれども、担い手農家や企業はどのような土地でもよいわけではありませんので、集約された農地など、作業効率のよいところが選ばれております。したがって、整備されていない土地は必要とされていないわけです。
しかし、先の研修やアグリ塾に来ている農地を持たない受講生は、最初から大きな農地は必要ないと思います。したがって、条件の少し不利な小さな農地の活用が見込まれるわけですから、耕作放棄地の低減に役に立つのではないかと思われます。
三豊市においても、このような人たちを掘り起こすことも含め、行政主導でアグリ塾の開校を行ってはどうでしょうか。また、それと併せて、施設の維持補修等、いろんな施策があろうかと思いますけれども、いずれにしても、このアグリ塾を開講することによって、いろんなことがわかってくるんじゃないかなというふうに思っております。
講師は、丸亀市も同じように、今の三豊の農業を築いてきた我々の団塊の世代の退職したJAの農業の指導員はもう本当に、今までブドウにしろ、レタスにしろ、ミカンとか、ブロッコリーとか、いろんな作物を手がけてきておりますので、こういった方がもう退職しておりますので、こういった方々の活躍の場をつくるとともに、定年退職者を含めた新たな農業生産の機会をつくってはどうでしょうか。
このような施策についてどうお考えか、お伺いいたします。
【再質問答弁横山部長】
藤田議員さんの丸亀アグリ塾に似たような、農業に対する指導ができる農業学校みたいなものをつくってはどうかというお話ですが、県内でも、高松市の香川地域職業訓練センターと、琴平町の県立農大学校の2カ所において、就農支援ということで、希望者の方にはかがわアグリ塾というようなものが開設されております。また、JAの三豊地区営農センターにも、新規就農者のための、これは若い人向けですが、農業インターン制度もございます。
新たに三豊市において同様な講座といいますか、制度を開校するよりも、それぞれ専門的な指導者が充実しているところでやっていただく方がいいのではないかというふうに、今は考えております。三豊市には優れた農業技術をお持ちの方が多数おいでだという御指摘もそのとおりだと思いますが、今後、その受け皿となるべき農業者、法人、集落への組織の育成には力を注いでいきたいと思っております。
それと、営農指導員さんや普及員の活躍の場をつくり、定年退職者の新たな農業生産の場をつくってはどうかというような御質問でございましたが、三豊市では、一部でございますが、今年度よりふるさと雇用再生特別基金事業を活用して、営農指導員を雇用して、栽培技術が未熟な高齢者や女性農業従事者を対象に、栽培指導を行っております。その結果が好評であれば、今後この取り組みを拡大していくことも、今後検討させていただきたいというふうに考えております。
【再々質問】
営農指導員、OBの方ですか。そういった方を活用されるということでございますけれども、今の制度は、先ほども申し上げたように、認定農業者ばかりの制度でございまして、例えば、これは新規就農者とは言いませんけれども、会社を退職して、兼業農家でいながら新たに今後年金と農業をやりながら暮らしていくという中で、若干収入を上げたいということで施設園芸といいますか、ハウス栽培とか、アスパラとか、そういったものがあると思いますけれども、そのような方々というのは本当に資金がないのです。
全部自己資金、退職金をつぎ込んでやらないといけない、というようでありますし、もちろん、もう定年退職者ですから、先があまり少ないので、貸し付けるお金というより、例えば無利子の補助でするとか。そういったいろんな施策があろうとか思いますし、先ほど、機械のあっせんの考えもあるようですけれども、ぜひ農業をやめている農家もありますので、中古の機械やそういったものを、やはりこれから農業といいますか、ちょっと家庭菜園的なものを手がけていこうという方には、そのような機械のあっせんというのも大切ではないかなというふうに思っております。
いずれにしましても、今後、アメリカ発の金融不安が心配される中で、もしものことが起きれば、世界の経済が立ち直るのはもうかなりの年月がかかろうかと予想されますけれども、我が国の財政的にも厳しいときでありますし、何といっても、最終的には食べ物に群がるのではないかなというふうに思っております。
このようなときに、農業を見直すことも大切ですし、流れとしてと申しますか、そういった状況を把握して対応をしてくのが必要でないかなというように思いますので、いかがでしょうか。
【再々質問答弁横山部長】
今、藤田議員がおっしゃった、例えば、お仕事を定年等でやめられて、農業に従事する方について無利子の融資とか、機械の補助とかということになりますと、そしたら、現実問題、なかなか難しい。そうなると、百姓というか、農家をやっている方皆さんが対象になるというふうになるのではないかというふうに考えております。
担い手というのは、あくまでも農業を基盤として、農業経営を充実して、所得を上げて、それで生活していこうという方に対しての基本的には助成制度というふうにとらえておりますので、例えば、僕も少し田んぼがありますが、そうしたら、僕はトラクターを買うのに、大して物もつくっていないけど、助成を市の方がするのかと。非常に区分けというのは難しいのではないかというふうに今は考えております。
それと、中古機械のあっせんといいますのも、市が直接するというのではなくて、市の方がどこに農業機械があるかというのを別に把握しておるわけではございませんので、農協さんとか、そういうそれぞれの分野の情報が入ってくるところと連携して、今後そういう情報をお伝えできればいいというふうには考えております。