【質問】 (オストメイトへの取り組みについて)
通告に従いまして、質問を行います。今日最後ですが、議長からは時間の方は心配ないんかということで、お尋ねがありましたが、今日の質問は、皆さんに言葉を知っていただくだけで初期の目的は大部分達成できるというふうに思っております。
まず、この用語の説明になりますが、オストメイトとは、人口肛門及び人口膀胱のことでございまして、これストーマといいますけれども、このストーマの保有者のことをいいます。そして、オストメイトの全国的な組織のことをオストミー協会といいます。社団法人オストミー協会は、昭和44年に当会の前身であります互癒会、互いに癒す会が創立されて以来、ストーマのセルフケアに関する知識と技術に啓蒙、オストメイトの福祉向上に図る諸活動及び社会的な認知の拡大をすすめております。平成元年に20周年を迎え、日本オストミー協会として社団法人化しております。その具体的な活動は医療講演会、講習会、相談会、体験交流会、補装具の展示会、研修旅行、全国大会等の他に、相談支援活動や会報の発行、福祉、介護、身体障害者等団体との連携等があると聞いております。
特に、オストメイトにとって排泄にかかわることは、他人に知られたくない思いが強く、社会的に偏見もあって隠したがる傾向にあり、あまり知られていないのが実情であります。当会では、オストメイトが社会復帰するには精神的に自立する努力の元に、ストーマのセルフケアを確立すると共に家族等まわりの理解と協力を得て、ストーマを滋養し、健常者とは若干異なるオストミー生活を新たに構築していかなければならないというふうにしております。
このような生活ニーズを正しく理解し、社会復帰とクオリティ・オブ・ライフ、すなわち生活の質の向上をサポートしていただくためにも、当会では毎年全国大会を実施し、3年に一度は世界大会、アジア大会も行っており、オストミー協会途上国への国際貢献も行っているようでございます。
当面の課題は、3つの大きな不安解消を図るための取り組みとして、1番目に災害時における地方自治体からストーマ用装具の緊急支給、2番目に介護サービスにおける看護職と介護職の協働によるストーマ用装具の交換、3番目に公共的施設へのオストメイト対応トイレの設置拡大であります。このような状況の中で、三豊市としてオストメイトの現状の把握はできているのか、また、公共的施設へのオストメイト対応トイレの設置の取り組みは行う考えはないのか、お尋ねいたします。以上、よろしくお願いいたします。
【答弁横山市長】
藤田議員の御質問にお答え申し上げます。
オストメイトというまだまだわれわれの中に浸透していない言葉ですけれども、私たちはやはり、こういった方々のことを、御指摘のようなことで、配慮しながら考えていかなければいけない時代になったのかなということは認識をいたしております。今日医療技術の高度化により、このオストメイトの方々も外出が可能となる人工の医療器具が開発されまして、多くの方々がその恩恵を受けられております。本市におきましては現在135名の方がこの器具を利用されています。しかし、オストミー、いわゆる人工肛門・人工膀胱の利用者は、定期的に容器排出と洗浄を行わなければなりません。そして、その設備がなければオストメイトの方は外出するのにも不安が残り、二の足を踏むという事態が考えられます。
わが国では平成元年に日本オストミー協会が設立され、全国大会をはじめ各種の講演会等が開催されております。県内には「社団法人日本オストミー協会香川県東支部」と「香川県西支部オリーブ友の会」がありまして、両支部とも約70名が会員となっています。本市では10名ほどが会員に登録されているとお伺いしております。以上が現状の把握であります。
詳細につきましては、部長より答弁をいたします。
【答弁香川健康福祉部長】
災害時における地方自治体からの「ストーマ用具」の緊急支給についてですが、これにつきましては特殊な器具でありまして、取り付けている位置、方法、メーカー等さまざまでありまして、互換性についての問題がございます。まとめて準備しておけるというものではないと思っております。
ストーマの交付は4カ月ごとにしていますので、緊急時必ずしもその日のうちに交換をしなければならないというものではありませんが、メーカーにおいては常時ある程度の在庫確保を図っていくよう要望し、不測の事態に備えたいと考えております。
「介護サービスにおける看護職と介護職の協働によるストーマの交換について」ですが、近年の疾病構造の変化、また、国民の医療に関する知識の向上、医学・医療機器の進歩、医療・介護サービスの提供のあり方等を背景に、高齢者介護や障害者介護の現場において、医師・看護師等の免許を有さない者が医療行為をすることは禁止されているところであります。医療行為が拡大解釈され、事故が起これば大変な問題となります。平成17年に厚生労働省より通知がありまして、ストーマ交換自体は医療行為ではないという判断が示されております。ストーマの交換ということは、本人は容器を自分で外した上で、中身の処分を介護師がすることは可能とのことです。ただ、事故が起きた場合の責任問題が発生しますので、研修や訓練をすることが望ましく、慎重に対応したいと思います。
続きまして、「公共的施設へのオストメイト対応トイレの設置拡大」の件でございますけれども、県下での公共施設等での設置状況は、現在14個所の設置がございます。たとえばサンポート・JR・ゆめタウン・高速のサービスエリア、また県庁・高松市・高松保健所等に設置されております。
現在、このオストミー対応トイレを設置する場合の補助率10割で1件当たりの限度額は50万円という制度がありまして、平成19年度から平成20年度までの事業となっております。
日本オストミー協会の全国大会が毎年、開催場所を変えて実施されていまして平成21年度には四国での開催が決定されているようです。本市におきましても、障害者福祉の向上を図り、安心して外出や旅行ができるよう、設置について検討したいと思っております。以上でございます。
【再質問】
三豊市で把握しているのは、オストメイトが135名ということですが、県下で1,500人、全国で15万人とされておりまして、人口比率で言いますと、本市は多い方ではないかなということです。本年度は対応トイレ施設の整備を検討するようですが、先に申し上げたとおり、災害時の避難所生活が心配されるわけでございまして、行政としてはトイレの設置場所の選定も重要であると思います。このようになった時にストーマ装具の確保等、しっかりとした対応をよろしくお願いします。
本市の訪問介護については、主に社会福祉協議会が行っていると思いますけれども、オストメイトが介護を受ける事態はまだ発生していないんじゃないかなと思いますけれども、今後の対応として、看護師と連携ができるように行政としての指導をよろしくお願いします。
オストミー協会の香川県西支部オリーブ友の会の会報を発行しており、活動状況を報告しておるわけでございますけども、先程申し上げましたように、社会的に偏見もあって、隠したがる傾向にあるわけですから、正直協会としても人数を把握していないというのが、実情であるようでございます。
三豊市の会員は135人ですので、1割程度となるわけでございますけど、ほとんどの方がその情報を得ていないのが実情であるわけです。何も勧誘をしているわけではありませんけれども、会員になるのは個人の自由ですけれども、できるだけ、自宅で閉じこもりがちでございますので、何らかの形で情報の提供ができればと思っております。オリーブ友の会の会報では研修旅行や、初心者の研修の案内のほか、全国大会では体験発表等も行っておりまして、女性の方が結婚にこぎつけて出産をした話や、中学生の14歳で発病して、高校生活や、大学生活等から知的障害者のボランティア活動を経験したり、今は福祉の職業に就いた話し等、交歓も行っておるわけでございまして、オストメイトが外に安心して出られる環境を作ることが重要でないかなと思っております。個人情報の保護ということから、利益を受ける側も過剰反応しておりまして、被会員100数十名の情報の提供等、今後どのようにすればよいのか、お尋ねをします。
【再質問答弁香川健康福祉部長】
被会員への情報提供をどのようにするかということですが、三豊市のオストメイトは現在135名ですが、そのうち10名の方が会員であるということですが、ほとんどの方が被会員であると聞いております。事務所での受付時での説明とかいろいろなことがあろうかと思いますが、個人情報の保護を配慮しながら、行政でできる範囲で対応したいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
【再々質問】
今の答弁では、具体的にどういうふうにやるかいうのも示されていませんけれども、いずれにしても、仮にトイレが整備されたとしても、どこにどういうモノがあるかという情報はやっぱり伝えていかないかんと思いますし、今後、観光協会もいろいろ整備して、観光パンフレット等を作っても、三豊市行ってどこにトイレがあるのか、昔は中国に行っても大丈夫かなということがあったのですが、今はそんなことはないですが、オストメイトの方はやはり、外へ出るのにもそういう情報がないということと、今さっき申し上げたのは、やっぱりいろんな悩んでいるということも個人的に聞き取るということですか、それとも、そんなことわかってないと思うんですけども、そういう方にどのように情報を提供するかということなんですけど。
オリーブ友の会、こういった情報誌も出ておるわけですが、これは会員だけにしか配られていないんで、この中ではいろんな催し物とか、こういったことに国といっしょに要望していますとか、県ではどう対応してくれていますとか、内容が書かれているわけですが、こういう情報を知らないんですよね。今までこの言葉さえ知らなかったということですから、そういったことを含めて、いろいろな方法があると思うんですが、広報でどこまでどのように知らせるのか、そういうことも含めてもう少し。
【再々質問答弁香川健康福祉部長】
なかなか135名おられる中で10名しか会員になられていないということですので、協会自体もあまり知られていないというのが現実だと思います。今からはできる範囲、広報的なものとか、障害者等のパンフレット、そういったものにできるだけ入れるようにしていきたいと考えております。それから先程お手元にあったパンフレット、こういったものも障害者福祉の方に持ってきていただければ、そういう障害が起きて手続きに来た時に窓口の方でお渡しするとか、そういった面で行政の方もいろいろと対応できると思いますので、協会の方もそういった面でいろいろな御協力をお願いしたいと思います。以上です。
【再々質問追加】
何らかの形で残り125名の方に情報が伝わっていけば、ありがたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。質問を終わります。