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2012/09/18

老人パワー炸裂

Tweet ThisSend to Facebook | by:こうせい

日経ビジネス20120910日号

 老人は、財政を食いつぶす「社会のお荷物」なのか。

 経験を重ねてきた日本の老人の、高い潜在力を引き出す組織が次々と生まれている。

元エリートによる経営指南

 この高齢者組織は、「経営支援NPOクラブ」(東京都千代田区)、三井物産OBが中心となり2002年に設立。中小企業の競争力の底上げに貢献するのが目的。会員160人。平均年齢70.5歳。最高齢者86歳。メンバーは、常務や部長職を経験した元商社マン、大企業の研究者など錚々たる経歴の持ち主が揃っている。

 依頼内容は、業務改善や取引先開拓、人材紹介など多岐にわたる。長年蓄積した人的資産を活用し、付加価値を生み出す。手がける案件は、数か月先まで埋まっている。これは、企業社会で、高齢者の「知的能力」に対する需要が高いことを意味する。

人的ネットワークを磨き続ける

 退職しても、常にノウハウを発信し続ければ、必要とする人々がス寄せられる。静岡県富士市の中堅クラフト紙専業メーカの経営再建取り組む副社長(50)は、3年前に偶然知り合った「相談役」と、フェイスブック上でやり取りする。

 その「仮想相談役」は、元日本カーバイト工業副社長のコンサルタント紙尾康作氏(81)2年ほど前からフェイスブックでつながることにより、出身大学や恩師も同じであることを知る。紙尾氏は研究開発のマネジメントに長け、30歳以上も離れた貴重な相談相手となる。

 紙尾氏は、茨城県日立市で隠居生活を送っているが、社会に対する関心と問題意識は衰えていない。フェイスブックを通じて、日々の時事問題に対する見解を書き込む。友達の数は講演の受講者を中心に40人。「閑人余話」と名付けた文章は、年間500本に達する。

団塊世代の受け皿に

 組織に固執せず若者の職は奪わない。社会に足りない経験や英知を生かし社会に還元する。それはホワイトカラー職種に限ったことではない。60歳以上の雇用の受け皿である「シルバー人材センター」。各自治体が設置し、独自の事業を展開する。

 東京都檜原村は、60歳以上の高齢化率は52.8%。都会暮らしに疲れた団塊の世代のUターンが増えた。しかし団塊の世代は地場産業の林業の技術を受け継いでいない。林業の衰退で日本の山は荒れ放題。間伐がされず、日照不足で木が衰えていく。地面がむき出しになり、土砂崩れが起きやすく、地震や大雨で甚大な被害を招いている。

 そこで、この村のシルバー人材センターは「間伐材による薪作り」。帰村した団塊世代の収入源になり、同時に山の保全に。薪は温泉施設の燃料として活用。シルバー人材センターは、民業を圧迫しない「すきま産業」でなければならない。それだけに「手に職」をつけてきた主婦やブルーカラー出身者こそ、老後に活躍する場が広がっているという。

働く女性を陰で支える

 働きながら2児を育てる女性の経営コンサルタント。長女が小学校に入学した10年前から、シルバー人材センターにベビーシッターを依頼している。週に複数回で、留守宅で子供を見ながら、家事全般をこなしてもらう。その内容は、洗濯物を干して取り込む。下ごしらえの夕食の調理。部屋の掃除。さらに子育ての先輩から助言や励ましの言葉。

文化の継承に島の老人

 伊豆七島の1つ、神津島村のシルバー人材センターは、「郷土料理の継承」を事業の中核にしている。ここでは、高度成長期までは「かさんば」と呼ばれる料理が、冠婚葬祭で必ず振る舞われていた。

 技術を持つ女性会員を集め、餅米を臼で挽き、餡子を餅で包み、更に島に自生する「カクレミノ」という葉で丁寧にくるむ。島の若者を集め講習会を開く。絶滅寸前の島の文化を守る役割を、シルバー人材センターが担う。

コラム

 社会保障、特に医療費と健康問題をテーマに研修を受けたり、政務調査を行ってきた。この問題は国が方針を示しても取り組むのは地方である。生涯を健康で過ごすことは、誰しも望むことで、これに収入が伴うと元気の基になる。

 最近はテーマとして、地域経済が加わる。地域内でお金を回すシステムづくりが重要である。今回紹介したように各地で、老人のパワーを生かす取り組みがなされており、地域が抱える課題は地域にしか解決できない。地域にあった取り組みを考えていきましょう。


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