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2012/08/28

札幌麻生脳神経外科の看護システム構築

Tweet ThisSend to Facebook | by:こうせい

   200795()9時、札幌麻生脳神経外科病院を訪問した。我々への対応は品地智子看護部長があたった。当医院は1992年NHKスペシャル「あなたの声が聞きたい」の番組を見たことから、強烈な印象があった。議員生活を始めて、今日の医療問題や今後の地域医療のあり方を考える仲で、どうしても当医院の取り組みを視察することが、今後の医療、看護、介護のあり方など参考になると思ていた。

品地看護部長の説明は、脳死と植物人間は違う。脳死は自分で呼吸が出来ない。しかし植物人間は必ず蘇るという。植物人間とは自力で移動することも食事を摂ることも意思を伝えることも出来ない状態が3ヶ月以上続いた場合を言うが、この人たちは再び生活する力が潜んでいるという。

人間の脳細胞は二十歳を過ぎれば、使わなければ壊れていくという。しかし使われていない部分は多くあり、看護プログラムで感覚刺激や訓練で蘇えらす。東京の大学病院から運ばれた患者は、医師の診断では、意識障害四肢拘縮とされており、通常はこれ以上の回復は見込めない。とされており寝たきりの状態が1年半も植物状態で、低酸素脳症で脳の萎縮が進み重症であった。

札幌麻生脳神経外科病院では、看護記録のもと、今までの経験から患者の状態からプログラムを組み看護の力、つまり、生活行動の手助けをすることで患者の意識は、回復するという。この取り組みは、以前に患者の家族から、命を助けてもらっても、意識障害の状態が長くなると、「これでは助けてもらったことにならない」このような批判が聞かされ、看護の力による僅かな変化も見逃さず、看護プログラムの為の記録を積み上げてきた。

この看護プログラムは、東京からの患者も最初に行われるのは、「残存機能の確認」である。患者の頬にビニール袋に入れた氷をあて表情を見る。スポイトで口にコーヒーを入れる。冷たさ、温かさ、味覚に対する反応を確かめる。健康な人の生活に近づけるには、まず座位の確保の訓練に励む。座ると動きが出てくる。手や指が動き出す。次は意識が無くても風呂に入れる。「温浴刺激運動療法」である。

温かいお湯は、脳をはじめ全身を刺激して、発汗を促し、エネルギーを消費させる。そしてその後は深い睡眠と快い目覚めをつくりだす。これらは、非常によい覚醒状態にし、自律神経のコントロールを促す環境設定ができた。次は「経口摂取」である。お粥やスープを口もとに運び、顎に手を添えて咀嚼を促す。口から食事を摂れることは、回復への大きなステップを踏むことになる。

札幌麻生脳神経外科病院では、このような看護プログラムのもと、意識障害の患者に対する取り組みを行っているが、厚生省の調査では、2000年現在植物状態の患者数は全国に2万人あまり、高齢化社会が到来し、脳卒中、交通事故の増加や医療の進歩に伴い、意識障害の患者も増え続けている。この病院では、夜勤の看護婦は床ずれを防ぐために2時間おきに患者の体の向きを変える体位交換を行っている。

この病院の待遇や労働条件がよいわけでないが、看護師の定着率が高いのは、医師と看護師がそれぞれお互いの立場を認め合っているからという。看護師たちの自主的につくった計画に沿って看護を進め、毎朝、その日のリーダーが看護計画を医師に伝え、必要に応じて指示を受ける。医師と看護師はそれぞれ独立した専門の仕事をするのがこの病院の姿勢であるという。

医療関係者はだれも患者の意識回復を願っているが、手厚い看護を目指せば目指すほど、病院の経営は圧迫される。現場の看護職への経済的保証は低く、看護の質に対する報酬はほとんどない。今回研修を受け、特に感じたことは、看護又は介護においても一律に報酬を支払うことは、問題がある気がした。例えば病院から移った時は、レベル又はポイント制で状況を特定し、レベル又はポイントが上がれば報酬を上げる。下がれば基準以下の支払となるシステムを作り上げなければならないと感じた。

 仮に報酬をランク付けで支払うとなれば、医療と看護及び介護は区別して考えることも必要ですし、入院中の状態が介護レベルのようにランクがつけられるのか、基準をどこにおいてランクをつけるか、国を動かすためには色々課題が多く無理な話かもしれないが、これらの事よりも当医院が作り上げた看護システムを今後どのように普及させるか重要であると思った。

 (2007年当時の政務調査報告書より)

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