【質問２】(地域包括支援センターの現状について）

　次に、地域包括支援センターの現状についてお尋ねします。
　平成12年４月から開始した介護保険制度は、そもそも昭和36年７月に施行された老人福祉法の財政破綻から、医療分野を切り離して昭和57年８月に施行された老人保健法を制定したものの、これも破綻したわけでございます。このような背景の中で、高齢者福祉を担うシステムが必要となり、登場したものと理解しております。平成17年６月に、施行後初めての改正で予防介護の導入、施設利用の際の食費や居住費を自己負担することが決定されており、新たな仕組みとして、介護の予防や権利擁護の相談機能を持つ地域包括支援センターが新設されることになったわけです。
　したがいまして、地域包括支援センターは、介護保険法で定められた地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関であると理解しております、これらに至った背景には、増え続ける医療・介護・福祉などの費用を抑えるために自己負担の割合を増やしたり、医療や福祉から介護の部分を切り出して介護保険制度を創設するなど対処療法的な対応をとってきたが、我々団塊の世代が高齢者になると近い将来また限界が来るとして、予防に軸足を置いた政策に転換したものと言われております。したがって、要介護状態になる前に要支援、要支援になる前の特定高齢者を継続的にマネジメントするために、地域包括支援センターと介護予防支援事業の一体的運営がされるよう、法律上の組み立てがされていると聞いております。このような中で、本市における地域包括支援センターの機能は十分と言えるのか、お尋ねします。
　以上二点、よろしくお願いします。

【質問2答弁横山市長】

続きまして、地域包括支援センターについてですが、住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的として、高齢者のニーズに適切に対応できるワンストップサービスの拠点としての役割も、このセンターは担っております。
　同センターが実施する包括支援事業は、高齢者の介護予防のため、心身の状況に応じた介護予防ケアプランを作成するとともに、介護予防事業等が包括的・効率的に受けられるよう支援を行う介護予防ケアマネジメント事業、高齢者の実態を把握し、虐待防止・早期発見等を行う総合相談支援事業、権利擁護事業及び主治医や介護支援専門員等、関連機関と連携を図り、個々の高齢者の状況や変化に応じた包括的・継続的なケアマネジメントを実現するため、地域で活躍する介護支援専門員に対し後方支援を行う包括的・継続的マネジメント事業の各事業で構成されています。
　配置する職員は、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の３職種の職員を65歳以上人口がおおむね3,000人以上6,000人未満ごとに各１人配置することとされておりまして、保健師が介護予防ケアマネジメント事業を、社会福祉士が総合相談支援事業・権利擁護事業を、また、主任介護支援専門員が包括的・継続的ケアマネジメント事業を担っています。本市の場合は、65歳以上人口が約２万400人ですから、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員をそれぞれ３人以上配置する必要があります。
　地域包括支援センターの機能では、本市では、保健師・社会福祉士・介護支援専門員・理学療法士・看護師の職種を配置して事業を推進しております。保健師及び介護支援専門員は介護予防ケアマネジメント事業を担当しておりまして、１カ月当たり550件から600件のケアプランを作成しております。なお、介護支援専門員は７人のうち６人が臨時職員であり、社会福祉士は２人の臨時職員で対応しており、総合相談事業・権利擁護事業を担当して、年間約500件の総合相談や、約60件の高齢者虐待に係る案件を処理しております。また、主任介護支援専門員は、包括的・継続的ケアマネジメント事業を担当しております。
　これが、現在の地域包括支援センターの現状でございます。
　以上、お答え申し上げます。

【再質問２】

　地域包括支援センターの件でございますけれども、このセンターが実施する包括支援事業は高齢者の介護予防のために、保健師による介護予防ケアマネジメントや社会福祉士による総合相談支援及び権利擁護、主任介護支援専門員による包括的・継続的ケアマネジメントをそれぞれ行っていると言われておりましたけれども、この１カ月に600件近いケアプランを作成するなど大変重要な役割を担っているようですけれども、特に介護支援専門員や社会福祉士が臨時職員で対応しているということは、介護サービスが万全と言えないと思いますが、今後どう対応していくのかお聞きしたいです。

【再質問2答弁香川健康福祉部長】

　　職員の体制につきましては、正規の保健師と介護支援専門員が臨時職員と一体となりまして、介護予防ケアマネジメント事業及び包括的・継続的ケアマネジメント事業を推進しており、今後ともよりよいサービスの提供に努めてまいりたいと考えております。
　一方ですけれども、総合相談支援事業、それから権利擁護事業を担当します社会福祉士は、臨時職員のみの配置となっております。社会福祉士が担当する業務は非常に専門性が高い業務でありまして、性質上、外部委託することは困難な業務でありまして、高齢者虐待に係る事案は増加傾向にありまして、警察が介入するなど本当に困難事例、悪質事例も発生しております。現場においての、即座の判断を迫られる場合もあり得るということで、脅迫的言葉等により身体的危険を感じる場合もあります。臨時職員のみで本当に困難であり、危惧しているところでございます。
　高齢者人口は今後とも増加傾向にありまして、平成30年には高齢化率36％近くになることが予想されております。このような状況の中で、高齢者を取り巻く環境の変化とともに、高齢者のニーズが多種多様、多岐にわたるものと思われます。今後は、本センターの体制の整備・充実に努めまして、高齢者が住みなれた地域や家庭で安定した生活ができるように、高齢者社会の充実を図りたいと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます

【再質問２答弁横山市長】

　ただ今香川部長より説明を申し上げましたとおりですけれども、この職種に関しましては非常に特殊である上に、ともすれば生命の安全にも関するというような問題でもあろうかと思っておりますので、この点に、臨時職員が多いということは、我々も今後考えていかなければならないポイントだと思っております。特に、社会福祉士は２名ともに臨時職員という状態にありますので、ここにおいては、正規職員の採用も含めて今後迅速に考えていかなきゃいけないというふうに現状考えております。

【再質問２追加】

ただ今、市長がお答えいただきましたけども、行政改革プランの総人件費の削減では96％がもう計画どおり進捗しておりますし、計画より進んでいるのが４％ということで、おおむねもう見通しがついたんでないかなというふうに思いますが、市長は５年間は新規採用しないということですけども、これが恐らく弊害になっているんでないかなと思いますけども、一般職員は別としまして、資格者の採用は柔軟に考えて対応していただいたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
　以上で終わります。